レポートの書き方・基本編① レポートの基礎と大原則

期末レポートの提出に追われる時期がやってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

「文章展開が難しい!」「レポートって何かわからない!」「そもそもレポートの作法を学んだことがない」

——そんな嘆きの声が聞こえてきますね。

しかし、基本さえ掴んでしまえばあとは竹を破るように容易に書けるのがレポートというものです。

レポートの書き方が右も左も分からない人々に向けて、6回(基礎編全4回・応用編全2回)に亘って、レポートの書き方【永久保存版】を公開します。

毎回、記事の最後に「課題」を設定しており、それに従って基本編4回分までの課題を行えば、レポートが完成する構成になっています。(応用編2回分は、より質の高いレポートを書きたい人向けの課題を設定しています。)

単位を落としてしまう(かもしれない)学生だけでなく、GPAハンターにも読んでほしい内容です。

第一回のテーマは『レポートの基礎と大原則』です。

今学期にレポート課題がない人も、いずれ書く可能性のあるレポートや卒論のためにテンプレートを知っておくことをオススメします。

レポートとは?

レポートは「報告書」であり、教授に対して『与えられた問いに対して、自分がどれだけ情報を収集して理解をしているか』『事実や理論に基づいて、どんな思考過程で問題に解答しているか』を報告するための書類です。

一方で、『情報を収集し、自分の意見・考えを主張する』ような書類は「アカデミックエッセー(小論文)」と呼ばれます。

アカデミックエッセーもレポートも、【問題提起情報収集考察・意見の主張まとめ】という起承転結の流れは同じです。そのため、基本的に書き方も同じになります。この記事ではこの二つを区別せず、「レポート」として取り扱います。

種類 内容
レポート
  • 文献等から事実を拾い上げ、そこから分かることを報告する学術的文章
  • 事実からわかること(考察)を中心にまとめる
調べ学習
  • 既知の事実について調べ、その結果をまとめた文章
  • レポートとは異なり、考察をする必要はない
アカデミックエッセー(小論文)
  • 論拠を交えることで客観性を持たせ、何かを主張する学術的文章
  • 自分の主張や意見を、論理的に述べる
感想文・エッセー
  • 主観的かつ根拠を必要としない文章
  • 出来事や感想など、経験に基づく内容が主となる

自由記述型

あるテーマに対して、「自分の考え(抽象的な問題に対する解答)」を論じさせるレポート。

最も自由度が高く、美術や音楽のレポートなどでは、感想などの主観的視点を求めるようなものも存在します。

絶対的な答えが存在しないレポートなので、論拠に乏しくなりがちです。関係する書籍・資料・論文を読んで、客観的に書くことが求められます。

【自由記述型の例】

  1. 任意の色を選び、その色の「語彙」を複数挙げた上で、あなたが最も適切だと思った語彙を選びなさい。その時、理由も記すこと。
  2. 映画『名探偵ピカチュウ』を観て、あなたが気づいた表現の工夫について自由に論じなさい。

論考型(アカデミックエッセー型)

ある問題に対して、論理的根拠を示しながら「自分の意見・主張(具体的な問題に対する解答)」を述べるレポート。

一般的なレポートはこのパターンであり、自分の意見に対して、どれだけ論理的根拠があるかが肝要です。

具体例や統計資料を用いる時、「それらの例や資料は、自分の意見のどこの部分を述べるのに必要なのか」と考えながら書くことが求められます。

【論考型の例】

  1. SNSが人格形成にどのような影響を及ぼすか。また、それを踏まえて私たちはどのようにSNSと付き合っていくべきかを記述しなさい。
  2. バートランド・ラッセル『幸福論』の書評を3000字以内で書きなさい。

※書評:本に対する自分の評価・批判を根拠を交えながら述べるもの。

試験・実験型

自分が講義で理解したことをまとめたり、それを用いて何かを論じたりするレポート。

既存の知識をまとめるという点で、他のレポートよりも事実が多くを占め、意見の割合が少なくなります。

理系のレポートでは、「実験目的・概要や原理・実験方法・実験結果・考察・参考文献」という流れで展開されることが多いです。

この手のレポートは、講義で理解したことから要点・キーワードを抽出することで書きやすくなります。

【試験・実験型の例】

  1. 本講義での『プラトンによるイデア論』の説明を踏まえ、美術史における「美」の遍歴を1000字程度でまとめなさい。
  2. ミジンコとボルボックスを観察し、動物プランクトン・植物プランクトンに関するレポートを作成しなさい。

原則①:レポートのレイアウト

文系科目のレポートは、序論・本論・結論・参考文献の四つの部分で構成されます。

レポートで核となる部分は本論です。そのため、本論はよく時間をかけて丁寧に書くことが望まれます。

また、序論と結論だけ読めばレポートに書かれている内容が把握できるように、序論・結論は簡潔かつ正確にまとめあげましょう。

レポート提出時に付ける学生部備え付けの黄色い用紙が表紙の代わりになるので、基本的に表紙は必要ありません。

但し、担当教員によっては「黄色い用紙は不要」という指示がある場合があり、その際は黄色い用紙を添付せずに提出BOXに投函しましょう。

さらに、「レポートの最初に表紙を付ける」という指示があることもあります。その場合は、序論の前に表紙を付けた上で、黄色い用紙も添付しましょう。

表紙

『表紙』には「担当教員の情報」「レポートに関する情報」を示しておきます。これを忘れてしまうと、レポートを提出しても評価が付きません。

  • 提出日
  • 担当者名
  • 科目名
  • レポートの題名
  • 学年と学部・学科
  • 学籍
  • 学生氏名

レポート提出用紙

学生部にある備え付けの紙(黄色)に上記の事項を記入し、レポートと一緒にして、指定箇所の二箇所をホチキス留めをします。

この紙は、「添付する必要がない」という指示がない限り、必ず添付するようにして下さい。

もし、担当教諭に一ページ分の表紙を付けるように指示された場合は、以下のように表紙を作成します。なお、この場合も黄色い用紙を付けるようにして下さい。

表紙の例

また、特に表紙に関する指示がない場合(最初に一ページ分の表紙を付けない場合)は、レポートの冒頭部分に『レポートに関する情報』(レポートの題名・学部と学科・学籍番号・名前)を明記しておきましょう。

レポート冒頭部分に書く場合

序論

レポートの書き出し部分に当たる『序論』では、レポート内で何を考察するか・何を明確にするか・何を目的とするかを示します。具体的には、以下の事項を全体の10~20%程度の分量で記述します。

  • 主題(テーマ)の提示:レポートで何について考察するか
  • 主題への導入:レポートで扱う内容の事前知識、主題に関する論点・問題点
  • 動機:なぜその主題を選んだか、なぜそれを主題にしたか
  • 目的:その主題について考察することで何が得られるか

本論

レポートの主役部分『本論』では、統計資料や文献などの「具体」から、考察や自分がレポートで伝えたいこと、すなわち「抽象」を導き出します。本論はレポートの要となるため、全体の60-80%を占めるようにします。

  • 統計資料:比較等をして、ある事象を説明する根拠として用いる
  • 文献内の記述(他人の意見):何かを説明したり文献の記述を検討したりする
  • 自分の考えたこと:考察や自分の意見を、統計資料などを基にして述べる

結論

レポートの締めとなる『結論』では、レポート内で何が判明したか・何を主張したかったかを簡潔にまとめます。
さらに、課題や展望を書いておくと、より良いレポートになります。結論は、全体の10~20%を目安に書きましょう。

  • 本論の総括:本論で得られた考察または強調したい意見・主張を簡潔に言い換え
  • 課題:このレポートではっきりしなかったことや今後の課題
  • 展望:このレポートで得られた考察はどのように役立つか

参考文献

『参考文献』は、レポート内で引用したり参考にしたりした文献・資料の出典を全てリストアップする部分です。
※参考文献の書き方や引用方法については、次回の記事で触れます。

原則②:事実と意見を分けて述べる

事実(Fact)

事実とは、客観的に真偽が判断できる内容を指します。

  • 人は必ず死ぬ(経験的な事実)
  • n角形の内角の和は180×(n-2)という式で求められる(論理的な事実)

事実の記述には、断定表現(「である」「となる」「だ」など)を用いましょう。

意見(Opinion)

意見とは、客観的に真偽が判断できない内容を指します。
すなわち、意見は主観的なものです。意見に客観性を持たせるためには、「事実」を根拠として論理的に述べる必要があります。

  • 本稿では「マリー・ローランサンは、エコール・ド・パリの画家の中で最も優れていた」と推測する。
  • 筆者の視点では、学生は関数電卓を必携するべきだと考える。

意見の記述には、推量表現(「と思う」「と考える」「と推測する」など)を用い、誰の意見かわかるように主語を補うことが理想です。

なお、意見だと思われる文章でも、条件付けによっては事実になることがあります。

この授業では関数電卓を使用することが定められているので、関数電卓が必要だ。

また、他人の意見は出典を明記し、自分の意見と区別するようにしましょう。出典がなければ、誰の意見かが分からなくなります。

本稿執筆者は、学生が単位を落とす原因を「レポートの難易度が高いからだ」と考える。一方で、宮崎(2019)は「一限が出席できないからだ」と述べている。

【註】宮崎レポ尾(2019)『一限大変論』慶應出版

事実と意見の混在

では、以下の文章を読んでみましょう。

現在、地球には200以上の国家が存在する。それぞれの国家で異なった文化や宗教が存在すると考えられる。文化や宗教には優劣がなく、全てを同一の物差しで推し量ることは不可能である。

一文ずつ事実か意見かを検討していきます。

  • 現在、地球には200以上の国家が存在する。
    事実であり、断定表現なので適切
  • それぞれの国家で異なった文化や宗教が存在すると考えられる。
    事実であるが、断定表現になっていないので不適切
  • 文化や宗教には優劣がなく、全てを同一の物差しで推し量ることは不可能である。
    意見であるが、断定表現になっているので不適切

よって、以下のように校正する必要があります。

現在、地球には200以上の国家が存在する。そして、それぞれの国家で異なった文化や宗教が存在する。本稿では、文化や宗教には優劣がなく、全てを同一の物差しで推し量ることは不可能だと考える

原則③:剽窃厳禁

剽窃(Plagiarism)

書籍や論文を参考にする場合、「引用元」「引用箇所」を明記することが原則です。

出典の明記を怠ること、すなわち、他人が書いた文章を盗んで、自分のレポートに書くこと「剽窃」と言います。もう少しカジュアルな表現をすると『他人の文章をそのままパクること』です。

剽窃には以下のような種類があります。

  • 直接剽窃:一言一句変えずに剽窃
  • パッチワーク剽窃(モザイク剽窃):色々な文献の内容を部分的につなぎ合わせて剽窃
  • パラフレーズ剽窃:文章を言い換えして剽窃
  • 自己剽窃:自分の著作物を剽窃

注意したいのは、仮に自分の著作物であっても出典表記が必要であるという点です。つまり、出典はどんなものであっても、漏らさずに記入する必要があります。

剽窃については、アカスキ(アカデミック・スキルズ)の「剽窃について」に詳しく纏まっています。

剽窃に対する措置

剽窃をした場合、学則第188に基づいて処分をされます。具体的には、当該科目が不合格になり、その学期に履修し合格した他教科の評価も一ランク下げるという措置をとられます。

場合によっては、指名が公表されて停学・退学処分を受ける可能性があるので注意しましょう。

【慶應義塾大学学則第188条】
この学則若しくは、これに基づいて定められた学内諸規則に違反し、または学業を怠り、気品を害ね、その他学生としての本分にもとる行為のあった者については、懲戒として情状により譴責・減点・停学または退学の処分をする。

なお、レポートを人に見せるのも同罪であり、同様の処分を受けます。そのため、レポートの管理には細心の注意を払いましょう。

例外規定

『3以上の自然数nについて、xⁿ + yⁿ = zⁿ となる自然数の組は存在しない(フェルマーの最終定理)』のように、その研究分野で当たり前(=通説)とされていたり、教科書に記載されているほど明白(=常識)だったりする事象に対しては、出典を必要としません。

原則④:文体の統一

口語的表現(話し言葉)を避ける

「〜だけど」「〜もあるし」「〜しよう」など、話し言葉は学術的文章ではご法度です。

レポート内では、文語的表現(書き言葉)を使用します。

常体と敬体

常体(だ・である調)敬体(です・ます調)を混合しないようにしましょう。レポートは書き言葉で書くため、「常体(だ・である調)」を使用することが望ましいです。

ただし、被引用文献が敬体であれば、絶対に改変せず、そのまま引用しましょう。あくまで、レポート本文を常体にすればいいので、引用時に敬体を常体にする必要はありません。(レポート本文の文体が統一されてないと、剽窃を疑われることもあります。)

一人称

一人称について『「私」を使うべきである』『「私」は主観性が強すぎるので不適だ』という二つの言説が存在します。これについて、どちらが正しいかは一概には言えません。

どちらにせよ「僕」「ウチ」「俺」「儂」「拙者」「アタシ」といった一人称を用いるのは厳禁です。なお、「私」を用いない客観性のある一人称としては「筆者」「執筆者」「本稿」などが挙げられます。

担当教諭の指示がある場合(句読点や形式)

担当教諭によっては、「出典の数は⚪︎個以上」「独自のレポート雛形を使用する」といった条件が示されている場合があります。その場合は、担当教諭の指示を最優先してください。

また、横書きのレポート、とりわけ理系のレポートでは「、」「。」の代わりに「,」「.」を用いることが通例となっています。(これは、理系の論文や雑誌に欧文が混ざることが多いためです。)

特に指定がなければ句読点を使い、指定があればピリオド・コンマを使いましょう。

漢字の表記

同じ言葉なのにレポート内で表記揺れがあるのは好ましくありません。

「従って」「したがって」など、漢字で書くか平仮名で書くかは統一した方が良いです。

また、理系科目では生物の名前は漢字を使わずにカタカナで表記するのが基本です。

原則⑤:適切な文の長さと段落の長さ

ワンセンテンス/ワンアイデア

どこで句点をうつか(どこで文章を切るか)は「ワンセンテンス/ワンアイデア(one sentence/one idea)という原則に従いましょう。

この原則は、日本語で「一文一義」とも呼ばれます。一つの文には一つの事柄だけを書く、という意味です。

【悪い例】
日本社会における男女不平等問題は、歴史的事象から見出すことができ、家制度における「男尊女卑」や選挙制度の遍歴に注目することで説明が可能である。

【良い例】
日本社会における男女不平等問題は歴史的事象から見出すことができる。例えば、家制度における「男尊女卑」や選挙制度の遍歴は、男女の格差を示している歴史的事象である。

悪い例には、一文に二つの情報が入っています。

そのため、良い例では、接続詞「例えば」を補って二文に分割して読みやすくしました。

このように一文に二つ以上の情報が含まれる場合は、接続詞を補って分割すると良い文章になります。

ワンパラグラフ/ワントピック

どこで改行をするか(どこで改段落を行うか)は「ワンパラグラフ/ワントピック(one paragraph/one topic)という原則を意識しましょう。

一つの段落は一つの話題(トピック)に関係する文で構成する、という意味です。

【悪い例】
ブルガリアでは、首を縦に振ると「いいえ」という意味になる。一方で、日本では「はい」という意味を持つ。このように、文化によってボディーランゲージが指す意味は違ってくる。さらに、身体の役割も文化によって異なる。例えば、インドやインドネシアでは左手は「不浄の手」である。そのため、左手で物を渡したり、頭を撫でたりするのは無礼な行為に当たる。

【良い例】
ブルガリアでは、首を縦に振ると「いいえ」という意味になる。一方で、日本では「はい」という意味を持つ。このように、文化によってボディーランゲージが指す意味は違ってくる。
さらに、身体の役割も文化によって異なる。例えば、インドやインドネシアでは左手は「不浄の手」である。そのため、左手で物を渡したり、頭を撫でたりするのは無礼な行為に当たる。

悪い例には、一段落に「文化によるボディーランゲージの違い」と「文化による身体の役割の違い」という二つのトピックが混在しています。

そのため、良い例では、話題が転換する箇所で改段落をしてわかりやすくしました。

このように、段落ごとに一つのトピックが存在していることが重要です。すなわち、『改段落がされているということはトピックが変わっている』という合図になります。

今回の課題とまとめ

今回の課

今回学んだ原則①に従って、アウトライン(骨組み)を組んでみよう。

アウトライン(outline)は、どのように文章展開をするかを示したリストです。必ずしも、文章で書く必要はありません。

アウトライン例

次回以降からは、原則②〜⑤を意識しつつ、ここで作成したアウトラインに肉付けを行なっていきます。


今回のまとめ

  1. レポートレイアウトは「序論・本論・結論・参考文献」
  2. 事実と意見は区別して述べる
  3. 剽窃は絶対にしてはいけない
  4. 文体は統一し、文語的表現・常体を用いる
  5. 一文には一つの事柄、一段落には一つの主題

次回は、『実際にレポートを書いてみよう』です。次回の内容は、実践的でとても大切なので引き続きご覧ください!

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みやざき

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