慶應大学の法学部には、「フェニックス」と言われる制度があることはご存知でしょうか?
今回は、フェニックスと言われる「復活制度」について解説していこうと思います!
目次
復活制度とは?
概要
30単位に満たず留年してしまっても、翌年の春学期に単位を取ることで、秋学期には元の学年に戻ることができるという制度
具体例
Aさんは、2017年度に1年間2年生として在籍して授業を履修していたものの、27単位しか取れずに留年してしまいました。そこでAさんは、2017年度の春には2年生として日吉で3学期目を迎え、そこで3単位を取得します。
そうすると進級条件である30単位を満たすことができたので、2018年の秋学期からは3年生として三田で履修をすることができるようになりました。そして3年生として30単位を取得することができたら、2019年度にはめでたく4年生となり、卒業することができます。
他学部では進級条件を満たせなかった場合、翌年は必ず1年間の原級となりますが、法学部は半年だけとなり、またフェニックスが食い込んでしまった学年は半年だけの在籍が可能となります。この制度のおかげで文字通り「復活」を遂げるのです。
さらに
上の具体例だと春学期に3単位しか取っていないことになりますが、仮に10単位取ったとします。そうすると、2年生で取得するべき残り3単位を差し引いた7単位分は、3年次に取得したものとして秋学期に繰り越すことができます。
つまり、秋学期には、4年への進級条件である30単位から7単位を引いた23単位を取得することで、無事春から4年生へと進級することになるのです。
由来
なぜ法学部だけこのような制度ができたのか諸説ありますが、1つは、かつて法学部の進級が非常に厳しいものだったが故に救済措置を設けたという説、2つ目は、現在読売ジャイアンツの監督である高橋由伸さんが慶應法学部に在籍していたときに、世間的な注目を浴びている学生を留年させることはできないしてと作られたという説があります。
どちらも筆者が噂レベルで聞いたものでしかないものですが、後者だとしたら私は高橋由伸さんにこの場を借りて感謝を申し上げます。。。
復活制度のデメリット
この制度のおかげで法学部は留年生が少なくなっています。しかし、通常の進級とは違うため、もちろんデメリットも存在します。
上級学年の科目を履修することができない
語学などの一部授業を除いて、上級学年の科目を履修することはできません。1年でフェニックスを使った時、2年の語学は履修できるようですが、基本的に法律系科目などは履修できなくなります。詳しいことはこのページを見てください!
例えば2年から3年にかけて進級に失敗すると、3年の春学期に取りたい授業が取れなくなります。法法の場合基幹科目の多くが春学期に開講され、秋学期はあまりありません。そうすると4年の春学期にがっつり基幹を取りたいところですが、単位取得までに労力を割くような科目が比較的多いため、必ずしもその学期だけで取りきれる保証はないです。
しかも卒業に必要な基幹科目は30単位と少なくなく、基幹が取りきれずに卒業が遅れるということが脳裏によぎります。そのため多くの学生は3年の春に基幹科目を多く履修するのですが、自分がいざ履修しようと思った時には周りの同級生は履修しておらず、かなり不安です。
就活の時期にもたくさん授業を取る必要があることも
法法の人は特に、3年の春にたくさん授業を入れます。なぜなら、3年の秋から就職活動が忙しくなり始めるからです。
秋のインターンだと、平日の数日間を使うことがかなりざらにあります。それからテスト前やテスト期間も何かしらイベントがあったりもするので、その時には授業やテストのことは、なるべく考えたくありません。
そのため、わざわざ秋学期にたくさん履修するということをせず、なるべく春学期に取ってしまう人が多いです。そうすると頼れる人が少なくなってどうしても不安になりがちです。
また、半年進級が遅れた分4年次にも周りより頑張る必要があります。しかし、法法の制度上3年次に頑張ったら4年次にはあまり多く取る必要がないので、多くの人は3年に単位を多く取ってしまいます。就活や卒業旅行といったイベントがあり、また3年で落としても4年で回収できるという保険がかかることから、これは当然のことです。
ただでさえ留年してしまうような人なのに、頼れるチャネルが減ってしまってはかなり致命的なのではないかと思われます。
4年では使えない
法学部は進級条件として、「当該学年で2学期(1年)以上在籍していること(ただし,復活制度適用者は,この限りではありません)」があります。つまり、原則として1学年には1年間いなければならないため、4年生を半年だけで修めることはできません。
よって、4年間で卒業するために使えるフェニックスは、日吉にいる1,2年次のみとなります。
最後に
具体例で書いたのは、私自身の実体験です。私は法法で2→3年のところで留年したので、この記事はその経験に基づいて書いています。
この記事を書いている時は3年に上がりたての秋なので不安でいっぱいです。蓋を開けたらそんな大変じゃなかったということもあるかもしれないですが、心臓に悪いので、フェニックスを使うのはやめましょう。それと、自分は大したことないと思っていても親の理解を得るのが大変です。重ねて申し上げますが、フェニックスを使うのはやめましょう。
私は最小限の履修で卒業したかったのと、1年で簡単にフル単してしまったので2年も簡単に取れるだろうと思って34単位しか申請しませんでした。もちろんフル単すれば進級なのですが、こんな性格なので普通に落としてフェニックスとなりました。
つまり何が言いたいかというと、GPAとか気にせずどんどん履修突っ込んで、とりあえずフェニックスを使うのはやめましょうということです。
ちゃんと30単位取って進級しましょう!!
復活制度については履修案内をよく読み、不明な点は学事に確認してください。