最も快適なのはどこだ!?日吉キャンパス男子トイレオールレビュー。

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本格的な寒さが到来してきた。

とりわけ、東京の冬は寒いというよりも冷たいという方が的確な気もする。

筆者は外国の冬も何度か経験したが、日本の冬が世界に誇れるものがある。

そう、便座だ。

日本の便座の温もり、温もりというにはあまりにも無機的だが、は多くの人々のストレスを和らげ、一種の感動を与えてきた。

今回は、そんな我が国を代表する大学、慶應義塾大学のトイレ事情に迫る。

序説

まず、タイトルにもある通り、本記事は日吉キャンパス内に点在するトイレをレビューするものであるから、一定の基準が必要であろう。

そこで、個人的にトイレに求める性能や快適性を比較し、点数化した。

特に清潔感が重要であるが、和式と洋式の数や混雑度なども無視できないため、これらを総合してオススメ度として5点満点で点数を与えた。当然この点数が非常に主観的なものだということはあらかじめ断っておこう。

加えて、個室トイレの和式と洋式の比を記しておく。この比が驚くほど和式に偏っている箇所もあるため注目していただきたい。比は和式:洋式である。

本題に入る前に、一つ雑学を聞いてみよう。トイレのドアには、下の写真のようにコート掛けがある。では、なぜ二個ついているのだろうか。一つはコート掛け、もう一つは別のものを掛けておくためのものなのだろうか。

正解は記事の最後で明らかにしよう。

独立館

車で綱島街道を走って日吉を過ぎたとき、これが慶應だよと言うとへえさすが、綺麗だねと言われたことがある。

表の顔を綺麗に調えても中身はそうでもないというのが世の常であるが、なるほど日吉キャンパスもその例に漏れないわけだ。

というのも、独立館の綺麗さ、新しさというのはその名に恥じず他とは独立しており、その差はトイレにも顕著に現れている。

独立館のトイレは各階にあるが、構造はどこも大差ない。最初にご紹介するのは、筆者の一押しである。

  • B2

4.6点(和洋比  0 : 2)

地下2階、DB〜教室のためと思われるトイレがある。これは駅から最もアクセス良好なトイレとも言えるかもしれない。規模は小さいが、日吉キャンパスでは珍しく個室が100%洋式で、清潔感もある。これは独立館に共通して言えることだが、モノトーンを基調としたモダンな作りになっている。ただ、周辺の大教室のキャパシティを考えると混雑する可能性は否めない。

  • B1(ラウンジ前)

4.3点(和洋比  1 : 1)

独立館地下1階にあるコミュニティラウンジ最寄りのトイレも、特にこれと言った特徴はないが、ここにもトイレがあるということは記しておく。ただし、あまりアクセスは良くないため、利用者は限られるだろう。

  • 1(D101前)

4.3点(和洋比  1 : 1)

 1階D101前にもトイレがある。こちらは目の前の大教室のためだけでなく、A棟と独立館を往来する者のトイレ需要も掬いあげているような印象がある。このため、広さはある程度ではあるが確保されている。

  • 2~4階

4.6点(和洋比  1 : 5)

独立館の2~4階には小さい教室が並んでいるが、このためのトイレが各階にある。

男女で異なる場所にあるので注意が必要だ。これらのトイレは広く、清潔な上、上の階だと外の微妙な景色も楽しめる。また、入り口のドアは重厚でトイレ感が薄い点も評価できる。特に、晴れた日に窓から差し込む光が落ち着いた色調の部屋とマッチして解放的な雰囲気を楽しめるだろう。

4号館B棟

4号館は、最も利用者の多い校舎だろう。したがってトイレの重要性は高く、力を入れてしかるべきなのだが、残念ながらそうとは言いがたい。避けたいトイレと、快適なトイレが明確に分かれている。

  • B1階

2.5点(和洋比 4 : 4)

中庭から4号館に入ると、教室12、13がありその左奥の階段を降りたところに男子トイレがある。ここも人通りの多い場所であるが、わざわざここのトイレを使うことはないだろう。

扉を開けてみると中は驚くほど広く、20台近くの小便器が一直線上に並んでいる珍しい光景が目に入る。しかし年季が入っており、和洋比が半々ということからもその古さが伺える。少し不気味な空気がどこか網走監獄を彷彿とさせる。

  • 1階その1

2.3点(和洋比 3 : 2)

中庭から左折し、J11を通り過ぎた突き当たりにはJ411~J417の教室があり、それらを支えるのがこのトイレである。

ここも雰囲気はB1階のトイレと同様。レイアウトが独特なので、一度は見に行ってみても良いかもしれないが、用を足そうと思って行くのは推奨されない。B1と共通して言えることだが、冬場は寒さが目立つ。意外にも便座は暖かい。

  • 1階その2

2.7点(和洋比 0 : 1)

中庭から右折するとJ14、J19といった大教室が見えてくる。その隣にあるこのトイレは、日吉キャンパスで一番小さいだろう。

コンパクトなのは結構だが、大教室の最寄りという需要を考えるとあまりに小さいため、混雑は免れない。もっとも、大教室の授業に出られない体質の筆者には関係のないことではあるが。

  • 2階

2.2点(和洋比 3 : 2)

4号館は自分が何階にいるのかわからなくなりがちだが、それは2階が存在しないに等しいからではないだろうか。J421~J427の側によくわからないフロアがあり、そのすぐ隣にトイレがある。

このトイレも4号館の他のトイレ同様、歴史を感じさせるものであったが、とりわけ老朽化が顕著だった。壁のコンクリートには亀裂が走っており、倒壊が不安でも尿意を妨げられない強靭な精神を手に入れたいとき以外はここを使う理由がない。

  • 3階その1

4.2点(和洋比 1 : 9)

 3階に2つあるトイレはどちらも新しく快適であると言える。まずは22、23、32、33、J24、J29が抱える大きなトイレ需要を一手に引き受けるのが3階中央部にあるこちらのトイレだ。

奇妙な間取りだが、青と白を基調としたモダンな印象で、明るく清潔感もある。出入口が二つ横に並んでおり一方が引き戸でもう一方が押し戸なため、入口と出口で使い分けることを期待して設計されたと推測できるが、実際使ってみると皆好きな戸で出入りしているようだ。キャパシティもかなりあるが、休み時間はどうしても混雑するかもしれない。

  • 3階その2

4.4点(和洋比 1 : 4)

最後は3階にもう1つあるトイレだが、パッと見の印象は良くないだろう。

ドアはこれまで見てきた古めのトイレと同様で、これを開けた先も自然と想起される。しかし、中は驚くほど綺麗で、新しい。色遣いが柔らかく、明るく清潔感がある。シャープな小便器の形が先進的で、木目調の個室の扉もとても良い。J431A~J438B、およびJ21を利用する際にはぜひ足を運んでみてほしい。

その他校舎

次に、その他の使用頻度のあまり高くない校舎を見ていく。

  • 3号館

2.7点(和洋比 1 : 2)

3号館は、主に英語の授業で使われるだろう。インテンシブコースでもないのにどういうわけか週に4回ここを訪れなければならない筆者にとっては、皮肉にも最も使用頻度の高い校舎となっている。

3号館のトイレは地下1階と3階のそれぞれ廊下の突き当たりにある。女子トイレはまた違うところにあるので注意されたい。中の雰囲気は暗く寒いが便座は意外にも温かい。日本人は技術を介した思いやりが得意だが、それを感じ取ることができる。

  • 6号館

3.3点(和洋比 1 : 2)

筆者の去年の第二外国語は6号館で行われていた。久しぶりに訪れると単位のために必死にここに通っていた頃が懐かしい。ちなみに二外の単位は死守したため、こうして美化された思い出として回顧できるわけである。

現在二外の単位と格闘している諸君は是非とも後悔のないよう過ごしていただきたい。前述の通り筆者は去年英語を落としに落としたツケを払っているのだ。6号館のトイレは1、3、4階にあり、どれも同じだ。レトロ感があり、雰囲気が柔らかい。他のどのトイレとも違った印象を受けるのは、自分の記憶による影響だろうか。

  • 実験棟

3.2点(和洋比 0 : 1)

実験棟には、2階の一箇所にしかトイレがない。棟を牽引するトイレにしては、小規模というのが第一印象だ。しっかりとした取手のついた引き戸が特徴で、中は綺麗だ。ただ、個室が一個しかないため、突然の便意には対応しかねる場合がある。他棟のトイレとも若干距離があるため、苦労するかと思われる。

  • 心理棟

3.2点(和洋比 1 : 1)

心理棟には1階と3階の二箇所にトイレがある。どちらもどうということはない。

食堂・メディア

  • 食堂

2.9点(和洋比 2 : 2)

食堂は最も需要があるトイレのはずだが、肝心のトイレはどちらかというと残念だ。質素といえば聞こえはいいが、典型的な公衆便所である。

1階のトイレ前のドアはなぜか自動ドアになっているが、その目的は不明である。一方2階のドアは通気性とデザイン性を重視しているようだ。

  • メディア

3.5点(和洋比 1 : 1)

メディアの各階にトイレがあるが、どれも標準的だ。明るめのタイルで、メディア全体の雰囲気とマッチしている。ただ、ここも需要に対して特に個室が不足する傾向にある。他の階のトイレを利用する等の対策が必要だ。

以上が、日吉キャンパスの男子トイレである。概ね網羅したつもりだが、体育館等利用者がかなり限定されそうな箇所は省略した点については了承願いたい。

今回の記事を作成するにあたってはやはり取材に苦労した。あちこちのトイレを奔走しては写真撮影をし、時には便座の温かさを確かめる。なかなか骨の折れる記事ではあったが、おかげで日吉のトイレの分布にはだいぶ詳しくなった。

感想としては何と言っても和式の個室が多すぎることだ。これはこの記事を作成した動機でもあるのだが、やはりアップデートが必要だろう。今時和式を好んで利用する者はどれくらいいるだろうか。私も海外から帰国して間もない頃、和式トイレの使い方がわからず苦労した記憶がある。

ただ新しいトイレに関しては、さすが我らが慶應義塾といったところで、明るく清潔で快適である。全てのトイレとは言わないが、必要な箇所は随時改築していただきたい。

また、朝の時間帯には清掃が入っていることが多かった。同時間帯にほとんどの箇所が掃除中だったことから、かなりの人員を動員していることがわかる。清掃員の方々、いつもありがとうございます。我々も清潔に利用するよう心がけ、最大限に日本の恵まれたトイレ環境を享受したい。

おまけ

さて、冒頭で出題したクイズの答えは、下側が普通のコート掛けで、上の出っ張りは盗難防止の棒らしい。治安が大幅に改善された現代の日本ではあまり想像できないかもしれないが、個室ドアの上から荷物を盗る輩がいたため、コート掛けはこのような形状になったという。


ABOUT この記事を書いた人

不死鳥を飼い馴らす二十歳の法学徒。Penmarkのファッション担当であり、車狂い。ドリームカーはAlpineのA110。最近は、ヘーゲルの哲学と日々格闘している。クリープやマイヘアが主食で、彼女をこよなく愛している。
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