慶應生が作るフリーマガジン「MAGADIPITA」と偶然の出会い。

出会い。

それは単純でありながら、最も複雑な事であるように私は感じる。

人生は毎日が出会いの連続であり、その中には素敵なものもあれば嫌なものもある。

しかし、ふとした時に自分の歩んできた道を振り返って見たとき、それはすべてなにかとの偶然の出会いの積み重ねであるように感じはしないだろうか?

そう考えてみると、最も僕らの人生を左右するのは「偶然の出会い」なのかも知れない。

そこで今回は、僕が出会った素敵な「SERENDIPITY」の物語を皆さんにご紹介させて頂きます。

フリーマガジン「MAGADIPITA」との出会い

慶應義塾大学の学生団体「S.A.L.」の中にあるプロジェクトとして活動を行っている「MAGADIPITA」

サイトを見てみると、繊細で美しいメッセージとイラストがたくさんあり興味を惹かれます。

「MAGAZINE」「SERENDIPITY」(※偶然に出会ったり、予想外のものを発見するという意味)という二つのキーワードでフリーマガジンを制作しているというこのプロジェクトはいったいどんな人が、どんな風に、どんな想いで作っているのでしょうか?

気になって仕方がなかったので、このプロジェクトに携わるMAGADIPITA編集長の藤内優音さんと鈴木一真さんに詳しいお話を伺って来ました。

活動概要

項目 詳細
プロジェクト 「MAGADIPITA」
公式サイト フリーマガジン「MAGADIPITA」公式サイト
公式Twitter @MAGADIPITA
公式Instagram MAGADIPITA
人数 約20名

実績など

  • Student Freepaper Forum 2017 ・・・ モリサワフォント賞
  • Student Freepaper Forum 2018 ・・・ デザイン・編集・企画の各部門にて6冠を達成。
  • Student Freepaper Forum 2019 ・・・ 決勝進出6団体に選出(ベスト6)

全国の大学生が制作したフリーペーパー約60種類が一堂に会す国内最大級のフリーペーパーコンテストにおいて数々の名誉ある賞を受賞しています。

MAGADIPITAってどんなプロジェクト?

━今日はよろしくお願いします。まずは「MAGADIPITA」という言葉と、プロジェクトの内容について簡単に教えて頂けますか?

よろしくお願いします!

私達の所属している「学生団体S.A.L.」は、国内外の社会問題を広く伝えたいという目的で活動をしているのですが、そのメッセージは興味のある人にしか伝わりにくいという課題がありました。

そこで「MAGADIPITA」では、そういったメッセージを雑誌という切り口で、かわいいイラストやデザイン性、記事内の企画やテーマなど身近なものを通して、元々は国際問題に興味が無かった方々にも関心を持ってもらえたらいいな、という想いで雑誌を作っています。

「MAGADIPITA」という言葉は、MAGAZINESERENDIPITYという単語を合わせた言葉で「SERENDIPITY」というキーワードが私達の活動の大きなテーマとして存在していて、私達の「SERENDIPITY」は、

「手に取るということが偶然の出会い」

であると考えています。

渡したい人に面と向かって1対1で渡す事もできるけれど、あえてそうではなく、

「たまたま寄ったカフェ」や、「お気に入りの美容院」

に行ったときに、この雑誌にめぐり合った人が手に取って読んでもらえたら良いな、という点がこのプロジェクトのキーとしている部分です。

━実際に印刷して、配って、という事をしているのは凄いですね‥。どんなところにMAGADIPITAは置かれているのでしょうか?

基本的には、都内のカフェなどに実際に突撃して交渉して置かせていただいたりしていることが多いです。

また、最近はTwitterやInstagramなどのSNSを始めたので、そういったSNSを通して「自分たちのお店に置きたい!」という方々から配送を頼まれたりすることもあり、遠方の方からの依頼を受ける事も多くなりました。

SNSを始めた事によって、自分達の活動の上ではなかなか手の届かない方々にも、より広い範囲でメッセージが届くようになったという点は、MAGADIPITAにとって大きなチャレンジでした。

━地域を超えた繋がりが生まれているんですね。

そうですね‥以前、Instagramを通して、関西に住んでいる方が私たちのメッセージ性に共感してくれて、その方に

「自分の開くイベントに「MAGADIPITA」を置きたい」

と言って頂き、そのイベントに雑誌を置かせて頂いた事もありました。

そこで、イベントに参加して偶然「MAGADIPITA」を手に取った方が私達のInstagramをフォローしてくれたりして、

その後も新刊のお知らせを投稿した際には「新刊も欲しい」と言って頂くなど、SNSを通した様々なめぐり合いにも「SERENDIPITY」を見出すことができ嬉しかったです。

━SERENDIPITYから始まる繋がり、素敵ですね‥

どんなフリーマガジン?

━続いては、「MAGADIPITA」というフリーマガジンの内容について教えて頂けますか?

MAGADIPITAは年に一度発行しているフリーマガジンで、毎回テーマを決めて、そのテーマについて様々な切り口で取り上げるような構成で作成しています。

最新号の7号は「選択」をテーマにしました。

SNSなどで目にする情報は一時的なものであり、ストックしておくことが難しいですが、フリーマガジンは形ある物なので、たとえ本棚の隅に置いてあっても、ふとした瞬間にまた読むことがあるかもしれない。

そこで、読む人にとって「いつ読んでも・どこで読んでも響くもの」をテーマにしよう。ということからこのテーマになりました。

その中で、私たち大学生が意識・無意識問わず日々抱えている人間関係や就活などにおける

「もやもやしたもの」

は、どういう選択をして解消したらいいんだろう、また、どういう基準で選んできた結果なんだろうといったことを中心に記事を構成しています。

企画としては、

  1. 「選ぶ」をみつめる
  2. 「選ぶ」をひろげる
  3. 選ぶを考える

という構成になっていて、「選ぶをみつめる」の項目では「自分自身が今までどういう選び方をしてきたのか、ということを振り返る」ことを紹介し、

そして自分がどういう選び方をしてきたのかがわかったところで「ほかの人たちがどんな選び方をしているのかを見てみよう・今まで選んでこなかった道をみてみよう」ということを紹介するのが「選ぶを広げる」という項目。

そして、最後に「自分が様々な選び方を知ったり見つめなおしたうえで”選択”とは何だったのだろうか」ということを考える、「選ぶを考える」という項目で、雑誌全体に一つのストーリーをもって紹介していく構成になっています。

また、テーマが難しい内容になってしまいがちなので「箸休め企画」というちょっと一息つけるような企画ページもあり、今回の7号では「選ぶを表す」というテーマにしています。

毎日は選択の連続です。どこに行って、何をして、何を食べる。そんな一つ一つの”選択”が社会に対して大きな影響を与えることに繋がるかもしれない。

そんなことを身近なものを通じながら訴求することが、今回の7号の主な内容です。

━もし自分が街でこれだけの内容があるフリーマガジンを見つけたら「いいものを見つけたな」という気持ちになりますね。

そうあってほしいですね。出会ったときに感じる”情報誌”との違いは意識をしている部分であり、単なる”キュレーション”ではなく、実体験に基づいていたり、自分たちの”思考”がしっかり反映されたものであるように心がけています。

MAGADIPITAで紹介しているもの。

━ここまでは、「MAGADIPITA」のテーマやメッセージ性というハード面について教えて頂きましたが、続いて紙面で紹介をしているコンテンツなどのソフト面について教えて頂けますか?

MAGADIPITAでは、切り口として「映画」や「カフェ」「雑貨屋さん」や、おもしろい「イベント」など、手に届く範囲で実行できるものを中心に紹介しています。

「雑貨屋さん」の項目では、「万人受けはしないけど、一つ一つにストーリーがあるような品物」をピックアップして紹介したり、「イベント」では野外で映画を上映して鑑賞する「野外シネマ」などのイベントを取り上げました。

雑誌のテーマとして掲げているものが抽象的であるからこそ、身近なものを通して私達の世界観と読者の方との接点を作るような内容になっています!

━確かにそうですね。僕も読んだときに「このお店行ってみたいな!」というような気持ちになりました‥‥

どんな人にMAGADIPITAを届けたいですか?

━様々なメッセージのこもった「MAGADIPITA」ですが、作り手として「こんな人に届けたい」という想いがあれば教えて下さい!

そうですね‥‥

「教室のあそこに座っているあの子に届けたい」というようなライトな想いからこの雑誌作りは始まっています。

日々、大学生活や日常生活を送る上で「もやもや」とした未消化な気持ちを抱えることもあるかと思います。

一人でも多くの人がこの雑誌を通して、各々の中にある「もやもや」を言語化したり、さらに深めたり、興味・関心に昇華したりするきっかけになれれば一番幸せだと思っています。

━表現する。ということは本当に難しいですよね。

MAGADIPITAを作る人たち。

━最後に素朴な疑問なのですが、MAGADIPITAは何人ぐらいのメンバーで作りあげているのでしょうか?

20人です!

━20人でここまでのボリュームのものを作るのはすごいですね‥‥!!

1年間かけて製作しているので、フリーマガジンとしては製作周期が長い部類になるのかな、とは思っています。

ただ、全員が慶應の学生であるため、美術を専門にしている人がいない中でイラストひとつひとつまで自分たちで作っている点は誇りに想っているポイントです。

━全部、、なんですね‥‥。イラストも素敵で惹き付けられるものがあります。では、取材などもすべて皆さんでされているんでしょうか‥?

取材もすべて自分たちで行っています。

皆で事前に許可を取って色々な所に足を運んで記事を書いているのですが、MAGADIPITAのコンセプトに共感して頂いて快く取材させて頂くこともあれば、テーマやメッセージ性が複雑であるがゆえに説明をするのが難しいことも何度かありました。

━メッセージ性をしっかり取材で伝えるのは難しいですよね‥‥。

実は1月にイベントも開催されます‥。

今回の7号では、「選ぶ」ということをテーマにしましたが、雑誌を作っているうちに、

「選ぶということを100%伝えるのに雑誌では限界があるな」

と感じたのでイベントという形をとって表現することに挑戦しました。

「SERENDIPITY」が本当に発揮される場は、実際に人と人が出会うオフラインの場であると考えていて、そういったところでなにかと出会い、気づき、発見する。

そういう素敵な偶然の出会いが重要なことであると考え、散歩がてら立ち寄れるようなウォークイン形式のイベントにする予定です。

場所は中目黒の目黒川沿いのスペースで、チケットや予約等が必要ない気軽なイベントになっているので気軽に来ていただけたら嬉しいです。

━絶対に行きます。日程はいつになるのでしょうか?

1月11日㈯~12日㈰の2日間の開催を予定しています。

━入場料などは必要でしょうか?

今回のイベントはウォークインで気軽に参加できる、という点にこだわりがあります。

なので、今回はチケットや予約などが必要のない入場無料のイベントとして実施する予定です。

MAGADIPITAはフリーマガジンなので、応援してくれる方からお金を頂くということは今までしてこなかったのですが、今回はクラウドファンディングという形を取りました。

普段、MAGADIPITAのメッセージ性に共感して、応援していただいている方々の気持ちをクラウドファンディングという形でしっかり表現するためにも、このような形態を選んで実施しています。

━クラウドファンディング・・・。なかなか大変そうですよね。

あと少しで目標金額に達成するほど、多くの方の応援を頂きました。

1月6日の締め切り日までは引き続き実施をしているので、もしよろしければページを見て頂いて、さらに応援して頂けたら本当に嬉しいです。

━イベント自体の内容はどのようなものになるのでしょうか?

今回のは”体感する”という部分がイベントの大きいキーワードになっています。

内容は、実際に来て、見て頂いて感じて頂きたいのですが、イメージとしては「デザインあ展」と「チームラボ」の融合のような、インスタレーションをメインとした内容になっています。

その他、7号が「未来の自分に手紙を書いた」というストーリーに沿って構成されていることもあり、イベントの会場で「1年後の自分に手紙を書く」という企画も用意しているので、普段は中々できない体験を楽しむことができますよ!

━今から楽しみです。展示もMAGADIPITAのメンバーで制作しているのですか?

そうですね!急いで制作しています…(笑)

━やっぱり凄いクリエーター集団ですね…ちなみに今回のイベントにはどんな人に来てもらいたい、というイメージはあるのでしょうか?

今回は今までMAGADIPITAを知らなかった人たちに来て頂きたいと考えています。

それこそ、今回この記事を読んで初めて「MAGADIPITA」を知ったという方も大歓迎です。

ぜひ、足を運んでいただいて、実際のイベントの展示や体験などを通じて世界観を感じて、最終的に私たちの雑誌を手に取ってもらえたら本当に嬉しいです。

会場でお待ちしています。

※イベントは終了しました。イベントレポートはこちら⇩

今日のお出かけはどこに行こう。迷ったら「カケル空間」に行ってみよう。

2020.01.12

━ありがとうございました!

あとがき

僕がこのMAGADIPITAに出会ったとき目に飛び込んできたのは「フードロス」や「オーバーツーリズム」など、僕が個人的に普段もやもやとした気持ちを抱えているキーワードでした。

僕が標準よりもそういった「物事の裏側」について深く考えるタイプだったこともあり、スーパーの閉店間際に半額になった賞味期限がその日までの食品を見過ごすことができず買いすぎてしまったり、旅行会社でアルバイトをしているときに観光客として様々な観光地を訪れることに違和感を感じていたりしながら、自分一人では解決することのできない問題に関して日々頭を悩ませていました。

しかし、このフリーマガジンを通して同じ想いで活動している人達がいる、ということを知り、大きな喜びを感じるとともに、見てみぬふりをしていた自分自身の心の奥底にあった”なにか”を見つけられたような気がします。

それとともに、この感動を記事に十分落とし込むことができず、何度も、何度も書き直しました。

この記事を読んだ方の中にも、悩みを抱えている人、困っている人、様々な境遇の方がいらっしゃると思います。

そんなあなたはぜひ、MAGADIPITAを手に取って、1ページ、また1ページとめくってみたら、見える景色も変わるかもしれませんよ。

あなたの素敵な「SERENDIPITY」が見つかりますように。


ABOUT この記事を書いた人

Takayama

編集長の高山です。 今一番気になっているのは「分子ガストロノミー料理」。 一番欲しいものは学位記です。
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