元アイドル+ギタリストが「音楽×脳医学」領域に音楽の力で斬り込む!?慶應SFC下島輝星さんの挑戦とは。

大切な人といつまで一緒に過ごせるかわからない。

だからこそ、限られた時間を最大限活用して自分ができることで道を切り開きたい。

ー元「ザ・コインロッカーズ」下島輝星

そう語るのは、ガールズバンド「ザ・コインロッカーズ」の元ギタリストで、現在は慶應義塾大学の環境情報学部(SFC)脳の研究に励んでいる下島輝星さんだ。

高校生からエレキギターを始め、受験勉強の傍らで大きなステージにも立ち続けたが、2021年の12月に「ザ・コインロッカーズ」は惜しまれながらも解散という道を辿っている。

しかし彼女は、音楽を通して見つけた希望の扉を開ける鍵を握り締めながら、今も一つの目標に向かって歩み続けているのだ。

何が彼女を突き動かすのか。まだ誰にも明かしたことがなかったエピソードとともに、ひたむきに走る姿を紹介したいと思う。

プロフィール

項目 詳細
お名前 下島輝星(しもじまきらら)さん
大学 慶應義塾大学 環境情報学部2年生
SNS Twitter
輝星さんの経歴

高校1年生:エレキギターを始め、高校の同級生とバンド活動を開始

高校3年生:「ザ・コインロッカーズ」としてメジャーデビュー

大学2年生〜:SFCの研究室で、「音楽と脳」の研究をする。

ザ・コインロッカーズとは

画像の一番右手が下島輝星さん

AKB48や乃木坂46を手がける音楽プロデューサーの秋元康氏が、2018年に開始したガールズバンドプロジェクト。

バンドとアイドルを融合させた新しいコンセプトと、見た目の可憐さからは想像のつかないほどのアツいパフォーマンスで話題となった。

インタビュー

音楽、そして「コイロカ」との出会い

高山

輝星さん、よろしくお願いします。僕も「ザ・コインロッカーズ」(※以下、「コイロカ」と表記)の曲はよく聴くのでこうしてインタビューできて光栄です。

現在の大学生活のお話を伺う前に、「コイロカ」での活動も振り返りながら輝星さんのことを伺えればと思います。

早速ですが、輝星さんが音楽を始めたのはいつ頃だったのでしょうか?

輝星さん

音楽自体は、幼少期にピアノなどで関わってきましたが、ギターを始めたのは高校生になったときですね。

高校の友達と一緒にインディーズのバンドを組んで、地元の栃木でライブをしたりしていました。

高山

高校だと部活でバンドを組んで、みたいな形が多いと思いますが、、、いきなりバンドを組んで活動していたんですね。

ちなみに、「コイロカ」で活動をすることになったのはどんなきっかけがあったのですか?

輝星さん

たまたまなんです。

友達が「秋元康さんの新しいガールズバンドプロジェクトメンバー募集!」と書いてあるチラシを持ってきて。

ふざけて、「応募しようか?」みたいになったことがきっかけですね。

そこからオーディションがあり、1万人ぐらい集まった中から40人が選ばれた中に、ありがたく入っていた、、という感じで。

高山

一気に減るんですね、、、それだけの中から選ばれて活動されてみていかがでしたか?

輝星さん

オーディションから解散まで、コイロカで活動していたのは約3年間なのですが、その期間は自分でも尋常じゃないなと思うほど練習もしてましたし、実力もすごく上がったなと感じる3年間でしたね。

ステージに立っている時は目の前のお客さんに楽しんでもらうことに命をかけていて、、激しいパフォーマンスをしすぎて楽屋でよく気絶していました(笑)

高山

それは生で見てみたかった、、

でも、それだけ熱い気持ちで活動をしてきた中での解散ということでかなり辛い部分もあったのではないですか?

輝星さん

そうですね、、解散が近づくにつれて不協和音が増えて徐々に崩壊しているのが見えていた時は本当に悔しくて悔しくて。

斬新でポテンシャルもあるグループだと思っていたので、正直残念な部分も大きかったですね。

高山

志半ばという印象も受けますが、、今後も音楽に関わっていかれるのですか?

輝星さん

関わりたいという気持ちは今でも強くあります。

音楽の道で成功することで実現できることもあると思っているので、新しいオーディションに挑戦したり、今はその準備期間と考えていますね。

ただ、それと同じかそれ以上に自分の中で形にしたいこともあるので、今はちょうど揺れ動いている真っ只中です。

音楽を武器に、研究の世界へ

高山

なるほど、揺れ動いている、、というのはどのような理由なのでしょうか?

輝星さん

実は音楽の他にも達成したいことがありまして。

私自身、解散のタイミングで「勉強に時間を割くために芸能界を引退します」と言っていることもあり、今大学で行っている研究や勉強に使える時間を確保したいというのが大きな理由です。

高山

なるほど。大学ではどのような研究をされているのですか?

輝星さん

今私が行っている研究は大きく分けると、

  • 音楽を使って脳の病気を治療したり、リハビリを行う研究
  • まだ解明されていない難病のメカニズムを解明する研究

この2つですね。

高山

研究内容も音楽に関わることなんですね。

ちなみに、音楽でリハビリを行う、、というのは具体的にどのようなイメージなのでしょうか?

輝星さん

そうですね。主に、音の刺激に対する身体の運動が関係してきます。

楽器を弾く人が「頭で覚えるのではなく、身体で(演奏方法などを)覚えている」と言っているのを聞いたことはあるかと思います。

その働きを医学的に応用したものが、「リズミックトレーニング」というもので、実際の現場にも取り入れられています。

ドラムの光った箇所を叩いてもらう、という内容のリハビリを行なって驚異的な回復をした事例もありますよ。

高山

このような研究を始めたのは、自分自身の音楽経験からなのでしょうか?

輝星さん

そうですね。きっかけは自分が音楽の道に進んだことかもしれません。

実は、私には今中学生になる弟がいるんですけど、、先天的な脳の病気を抱えているんですよね。

全国で200件ぐらいしか症例のない「先天性大脳白質形成不全症」という難病で、つい最近までは病名もつかないほどその実態はあまり明らかになっていませんでした。

なので、一番は弟の病気を解明したいという気持ちが大きかったですね。

身近な人を救える人になりたい

高山

そのような経緯があるんですね。

でも、なぜ音楽と関係しているのですか?

輝星さん

弟の病気は脳の病気ですが、手足も自由に動かず、刺激に対してもほとんど反応を示さないんです。

でも、高校生の頃に私が家でギターの練習をしていると、普段はほとんど反応のない弟が音に対してすごく反応を示していることに気づいたんですよね。

リズムに合わせて体を動かす弟の姿をみて「音と脳のつながりがあるのでは?」と考えるようになったことがこの研究を始めたきっかけです。

高山

なるほどなるほど。

音楽をきっかけに糸口が見つかったということなんですね。

輝星さん

そうですね。

普段私たちが音楽を聴いてテンションが上がったり、鼓舞されたりするプロセスには、脳内での科学的な情報処理が関わってくるんですよね。

興奮してアドレナリンが出るようなリズムだったり、落ち着きを司るセロトニンが出る曲だったり。

そう言ったメカニズムを明らかにして、科学的なメロディーを作りあげて、リハビリや治療に使用できるようにしたいというのがまず一つの目標です。

高山

確かに。感情も極論は脳内での反応に過ぎないですもんね。

愚問かもしれませんが、弟さんの病気につながる手がかりは見つかってきているのでしょうか?

輝星さん

その部分に関しては、まだまだ繋がっていないのが現状です。

というのも、私が大学を目指した2年前は病気について全く解明されていなかったのですが、今はほんの少しだけ解明されてきたんです。

ただ、治療法は全く確立できていなくて、、海外でやっと初めての手術が行われることになったのですが、億単位の費用がかかる上に成功するかも未知数という、、。

高山

それは厳しいですね、、今後も研究は続けられるのですか?

輝星さん

そうですね。「音楽と脳」という研究に関しては最後までやり遂げてSFCを卒業したいと考えています。

ただ半年ほど前から、自分が研究してきたことを生かして医学領域まで踏み込めるように医学部を目指したいと考え始めました。

今まで研究したことをもっと様々な形で、様々な脳の病気を抱えている人の役に立ちたいと思っています。

高山

さらに高いステージを目指されるんですね。

医学部に進もうと思い始めた決定打はどのようなことだったのでしょうか?

輝星さん

弟の病気は先天的な遺伝子変異で起こるものであり、姉である私も同じ遺伝子を持っているんです。

ということは、私が同じ病気になっている可能性もあるということですよね。

そういう立場である自分にできることとして、もっといろいろな人に寄り添える形として医学の現場に進むことを考えるようになりました。

高山

なるほど、、身近であるからこそわかることがあるというわけですね。

半年ほど前から医学の道に進むことを考えられたとおっしゃってましたが、「コイロカ」の解散とも関係しているのですか?

輝星さん

解散したことで目指すことを決めたわけではなく、活動している当時から医学の道に進みたいと考えるようになっていました。

結果的に「コイロカ」は12月に解散という結果になってしまいましたが、解散しなかったとしても、どこかで諦めなければいけなかったかもしれなかったかなと思っています。

夢と迷い、そして葛藤

高山

なるほど。そうだったんですね。

先ほど、「音楽を続けることも考えている」とおっしゃていましたが、輝星さんの中でも迷われている段階なのでしょうか?

輝星さん

まさに今は葛藤の中にいる状態です。

医学の道に進むにはお金もたくさん必要ですし、勉強も並みの努力では足りない。

時間とお金のどちらも必要というとても苦しい状態です。

SFCに行くだけでも、両親には相当負担をかけてしまっているので、自分でできる限りのことはしたい、、

そのために、音楽で成功するのも一つの方法と考えているという部分があります。

高山

一番シビアな部分ですよね。

輝星さん

なんとか短時間で効率的にお金と勉強時間を確保しなければいけないので、、方法は色々と模索していくつもりです。

今受けているオーディションの結果が3月に発表されるので、そこが運命の分かれ道かなと思っています。

高山

僕も自分のことのように結果が待ち遠しく思えてしまいます。

しかし、輝星さんのモチベーションはどこから湧いてくるのでしょうか?

輝星さん

なんだろう、、自分自身の体験からきている部分もありますね。

実は私、中学校もほとんど行ってないんですよ。学校生活がしんどくて、周りの人間関係もしんどくて。

でも、高校では全部見返してやろう!と思って乗り越えました。

あとは一時期パニック障害も患ってしまって。大きな舞台に立つのが難しくなったり、混雑しているところに行けなくなってしまったこともありました。

だからこそ、そういった経験を生かしながら、困っている人の力になれればと考えると頑張れるかもしれません。

希望の扉を開ける鍵

高山

最後に、輝星さんが目指す今後のビジョンについて教えてください。

輝星さん

今はとにかく自分が最大限頑張って、一刻も早く身近な大切な人や、同じ悩みを持つ多くの人を救うことができればなと考えています。

今、こうしている間にもどんどん時間が経ってしまっています。

弟の病気は、一般の人より寿命が短いとも言われていて、早い人で20代、長く生きても50歳ぐらいで亡くなってしまうケースが多いんですよね。

なので、限られた時間で少しでも幸せな時間を過ごすためにできることをしていきたいなと思います。

高山

目頭が熱くなってしまいました。

素晴らしいですね。

輝星さん

苦しい道のりですが、応援してくれる方がたくさんいるのが支えです。

まだまだ模索中なので、間違っているな、とか、あまり良くないな、と思うことはぜひ教えていただきながら、より良い目的地に進めれば良いなと思っています。

高山

輝星さん、僕も全力で応援しています!

今回は貴重なお話をありがとうございました!

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ABOUT この記事を書いた人

Takayama

PenmarkNews編集長/24歳/社会人大学生/経験を生かし、大学生をはじめとするZ世代の皆さんの生活がより豊かになる記事をお届けします。
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