大学生のラーメン店主・盛大地さんに聞く、こだわりと夢を形にする方法論

僕はたくさんの人に恵まれて、今この厨房に立っています。

一人では決して成し遂げられないことも、多くの人に助けて貰えば達成できる。

まずは、僕が一人前になって恩返しをし、同じように挑戦できる人を増やしたい。今はそのために全力でラーメンを作ります。

-麺や ICHI 店主 盛 大地

そう語るのは、現役大学生でありながら札幌・すすきのでラーメン店の店主をしている盛 大地さんだ。

日本全国のラーメン店を巡り、年間200杯以上のラーメンを口にしてきた盛さん。

「ラーメン好き大学生」が「大学生のラーメン店主」に至った経緯はどのようなものだったのだろうか?

そして、「大学生のラーメン店主」は、今後どのような場所を目指すのか?

現在自らが厨房に立つ「麺や ICHI」のこだわりや開業秘話とともに明らかにしていく。

プロフィール

項目 詳細
お名前 盛 大地(もりだいち)さん
大学 北海学園大学 経営学部3年生
SNS Twitter

「麺や ICHI」の紹介

北海道札幌市の繁華街、すすきのにある6席のみのラーメン店。

北海道産の羊や日本各地から調達したこだわりの食材、そして試作を重ねたこだわりの麺を組み合わせたこだわりのラーメンは今大きな注目を集めている。

インタビュー

ラーメンとの出会い

高山

盛さん、よろしくお願いします。

まずは、盛さんがラーメンと出会ったいきさつを簡単に教えていただけますでしょうか?

盛さん

僕がラーメンと出会ったのは高校生の時です。

第1志望の高校に落ちて遠くの高校に行かないといけなくなってしまって。

電車に1時間ぐらい乗って通ってたんですよね。

その区間の定期を使って、途中の駅にあるラーメン屋巡りを始めたことがきっかけです。

高山

災い転じて、、という感じですね。

当時は何杯ぐらい食べましたか?

盛さん

当時は年間で150杯は食べていましたね。

大学生になってからは200杯ぐらい食べています。

高山

すごい、、、好きなお店やラーメンの種類はありますか?

盛さん

そうですね。実は一番好きなのは東京の「しば田」(調布市)というお店が一番好きです。

北海道では、「mari iida」というお店が一番好きで。

どちらも煮干しと醤油であっさりしているのに中毒性があってクセになる味が大好きです。

開業のきっかけ

高山

現在、盛さんは札幌でラーメン店の店主をされておりますが、そもそもどうしてラーメン店を開業するに至ったのでしょうか?

盛さん

開業に関しては、「チャンスを頂いた」というのが一番大きいでしょうか。

「いつかラーメンのお店を開きたい」と思いながら、他のラーメン屋さんでアルバイトをして接客や掃除などの飲食店の基本的なことを学び始めました。

高山

ちなみに、開業に必要なテナントや器具などもアルバイトの資金で用意したのですか?

盛さん

いえ、実はテナントや器具などはあるご縁をきっかけに提供してもらえることになりまして。

本当は、大学を卒業してから自分のお店を開こう、と考えていたのですが、このご縁をきっかけに今こうしてお店を開くことができた理由ですね。

高山

資金調達、、みたいな感じでしょうか?とても大きなご縁ですね。

ちなみに、どのようなご縁だったのでしょうか?

盛さん

実は、僕が開業前にしていたある行動がそのご縁をいただくきっかけでした。

僕の友達に「いろいろな業種の社長や経営者にSNSで片っ端からDMを送って、成功法則をヒアリングする」ということをしている友達がいまして。

それを見て、「自分も飲食業界の社長や経営者に話を聞いてみよう」と思って、その友達について行って一緒に話を聞くことにしたんです。

高山

すごい、、でもそこからどうして一気にお店を開くことに、、?

盛さん

ここからはとても早かったです。

僕が最初に話した社長の方は、北海道でジンギスカン、中華、〆パフェ、焼肉など様々なお店を展開している大きな飲食グループの方で。

「たまたまコロナで空きテナントがあるから、そこでラーメン店を始めてみないか?」

と言ってくださり、そこから開業に至りました。

高山

そんな道もあるんですね。

どうしても、飲食店開業というと

構想を練る→修行する→資金を溜める

といったような非常に険しい道のりを想像してしまいがちです。

盛さん

そうですね。僕も本当に感謝しています。

しかも、最初から独立、という形ではなく、実は僕は今その社長の会社に所属している形になっていて。

「経営のノウハウをしっかりと学んで一人前になったら独立」という目標を立て、卒業と同時に独立できるような修行を重ねています。

「美味しい」と言われる一杯を目指して。

高山

お店を開くのは、実際にお客様に食事を提供してはじめてスタートになると思います。

お店で提供するラーメンを提供するまではどのくらい試行錯誤を重ねられたのでしょうか?

盛さん

実は、開業が決まってから1ヶ月ぐらいで完成させました。

ずっとラーメンを食べてきて、自分でも作ってきたので、そこで自分が美味しいと思える味を完成させてお店で提供している形でしょうか。

高山

味は自分で研究していたのですか?

盛さん

そうですね。ベースとなる部分は全て自分のレシピで完成させました。

そこに、様々な方から提供していただいた食材やアドバイスを追加して最終的なレシピを作り上げた形です。

高山

ラーメンはいつ頃から作り始めていたんですか?

盛さん

高校の頃からですね。ラーメンの作り方自体はほとんど独学で学んで、自分の好きな煮干しを使ったあっさりしたラーメンを作っていました。

高山

お店で提供しているラーメンも煮干しを使用してますよね。

盛さん

そうですね。同じ煮干しでも種類や季節によって全く味が変わるので、何回も研究して作っています。

今まで100種類以上のラーメンを作って研究しています。

お店を開業するまでは早かったですが、本当の意味の完成はお客さんの反応次第なので、今になってやっと完成に近づいてきた感覚がありますね。

高山

開業当時、お客さんの反応はいかがでしたか?

盛さん

本当にありがたいことですが、当時食べられた方は「おいしい」と言ってくださいました。

最初は「変化球的なラーメンで見られるかな?」とも思ったんですが、今でもたくさんの方に「おいしい」という声をいただいてとても励みになっています。

高山

とても美味しいんですね。食べてみたい、、、

ちなみに変化球的とは、どういった部分なのでしょうか?

盛さん

実は、スープに羊の骨を使用しているんです。

これは、社長のアイデアもあって追加したのですが、系列のお店にジンギスカン専門店があって。

そこで提供している北海道産羊の骨を仕入れてスープに使用しているんですね。

高山

羊の骨!

豚骨は一般的ですが、羊の骨は聞いたことがありませんでしたね。

北海道では他にもあるんですか?

盛さん

いや、北海道でもうちだけです。

最初は本当に手探りでスープに使用することを模索しました。

系列のレストランの料理人の方にアドバイスをもらったりしながらなんとか完成まで持っていった形です。

高山

味を作る上で苦労した点はどのような部分でしたか?

盛さん

一番大変だったのは、「自分が納得できる味を作る」ということですね。

今まで何百杯ものおいしいラーメンを食べてきているので、ラーメンの味に対するハードルがめちゃくちゃ高くなってしまって。

他の人は「おいしい」と言ってくれているのに、自分の中では全然だなと思うことばかりで。

そのギャップをどうやって埋めるかがすごく大変でした。

素材へのこだわり。

高山

自分が納得できないとお店で出すのは難しいですからね。

先ほどは味についてのエピソードを伺いましたが、ラーメンの食材へのこだわりもぜひお聞かせいただきたいです。

盛さん

そうですね。

ラーメンに使用する具材も本当に納得できるものを使用するようにしています。

煮干しは千葉県の九十九里から仕入れたポピュラーな背黒(※1)をベースに、広島の白口(※2)と、長崎のアゴ(※3)をブレンドし、最高の状態にする。

チャーシューやスープに使用するラムも、北海道産にこだわって使用する他、野菜や海苔なども国産の食材にこだわるなど、妥協をせずに完成させています。

あと、スープ以外でこだわったのは麺を作るところですね。


(※1)背黒・・・カタクチイワシの煮干し。サイズによって呼び名が変わるが、”背黒”は中でも一番大きい、10cm以上のものを呼ぶ

(※2)白口・・・同じくカタクチイワシの煮干しだが、産地により呼び名や味が異なる。”白口”は主に瀬戸内海で獲れるもの。他に比べてまろやかな味わいが特徴。

(※3)アゴ・・・トビウオのこと。アゴ出汁としてよく知られる。すっきりして旨味の強いことが特徴。


高山

麺、、一番大事な部分ですね。

麺はどのようにして作られたんですか?

ICHIで使用している麺

盛さん

製麺所の方に作っていただいている麺なのですが、、

ここは製造をお願いする段階から何度も何度も、打ち合わせを重ねて完成まで持っていきました。

通常、製麺所にオリジナルの麺を依頼する場合でも、営業担当の方とラーメン店とで打ち合わせすることがほとんどですが、ICHIでは直接工場の方と打ち合わせをして作っています。

いつも忙しい中、真摯に話を聞いてくださり、おいしい麺を作っていただいて本当に感謝していますね。

高山

盛さん、そして製麺所の方、両者の丁寧なお仕事で生まれた麺ということですね。もはや芸術の域ではないでしょうか。

麺作りにおいて、味に現れる部分にはどのような工夫が凝らされているのでしょうか?

盛さん

ラーメンの麺の味を左右する要素は、そのほとんどが「加水率(※4)」なんですよね。

加水率が高いと、ツルッとした食感でおいしいのですが小麦の食感が薄まってしまいます。

逆に加水率が低いと、小麦の香りは引き立つのですが、スープを吸って伸びてしまいやすいというデメリットがあります。

なので、その両者の良いとこどりをして最高の状態が作れるように、10回以上の試作を重ねて完成に至りました。


(※4)加水率・・・麺を作る際、小麦を100としたときに、何%水を入れるかを表す指標。


お客さんに食べてもらうということ

高山

麺やスープ、そしてそれらに使用する食材について、盛さんのこだわりや周りの人の協力が大きく詰まっていることがよく理解できました。僕も今すぐにでも足を運んで、盛さんのラーメンを食べたい気分です。

ちなみに、、お客さんはどのくらい来店されてるんですか?

盛さん

日によって変わるので一概に人数はお伝えできませんが、いつもたくさんのお客様にお越しいただいています。

高山

でも、SNS等を拝見すると「並んだ」などのコメントもたくさんあり、注目を集められているお店なんだなあと思いますが、、

盛さん

6席のみの狭い店内と、大学生であるが故に夜のみの営業という限られた条件ということもあり、いつもたくさんの方に並んでいただいてお越しいただいて、、

僕も何度も何度もラーメン屋に並んだことがあるのでその辛さはよくわかっているので、本当にそこまでしていただいてきてくださるお客様には感謝してもしきれないですね。

高山

大人気店なんですね。

開業当初の集客には苦戦しなかったんですか?

盛さん

最初は知名度を上げるのは大変でしたね。

まずは自分の友達に声をかけてきてもらって。

でも、そこからその友達がまた友達を連れてきてくれて、さらにはその友達が家族を紹介してくれて、さらにその家族がまた知人を、、、と言った感じで、本当にたくさんの方に来ていただけるようになりました。

高山

やはり味が美味しいから紹介したくなるのでしょうか。

盛さん

そう思っていただけているのであれば本当に嬉しい限りです。

今は9割以上がリピーターの方なので、今後またさらに多くの方にお店を知ってもらって、足を運んでもらうことが今後の課題ですね。

限定メニューも今年1年分スケジュールを考えてあるので、期待していただければと思っています!

大学生活と、大きな目標

高山

ちなみに、、単純な疑問なのですが、、盛さんも大学生ということでお店と大学生活の両立はいかがですか?

盛さん

オンラインやオンデマンドの授業が増えたことで、意外と両立はできています。

現在、僕は経営学部に通っているので、大学でも経営のことを学びながら、、という感じで。

何事も目標への糧にできればと思っていますね。

高山

今後の目標としては、お店をどのくらい拡大していきたい、といったビジョンはあるのでしょうか?

盛さん

まずはこのお店で独立することを最初のマイルストーンにして、その後またいろいろな方向に拡大していきたいなと思っています。

独立後の目標としては、しっかりしたチームを作って直営のお店をいくつか展開、そしてこの味を受け継ぐといったところでしょうか。

高山

受け継ぐ、、ラーメン店は続けられないのですか?

盛さん

もちろん、自分が納得できるところまではとことん続けていくつもりですし、自分が経営まで完璧に行えるところまでは責任を持って続けていきます。

ただ、僕の目標はそこだけではないんです。

極論を言うと、自分のような人をもっと増やしたいという夢がありますね。

高山

自分みたいな人、とは、、?

盛さん

大学に通っていると、周りの友達はちょうど就活の真っ最中です。

僕は就活をせずにお店をやっているので、友達からは「やりたいことができていて羨ましい」と言われることも多くて。

でも、そう言われたときになんて返したら良いかわからないんですよ。

高山

確かに、いろいろな選択肢や夢がありますからね。

盛さん

でも、僕は自分の力だけでここに来たわけでは決してない。

むしろ、周りのたくさんの人の応援があったからこそ、夢をこうして実現できていて、やりたいことができている。僕はそのことに本当に感謝しています。

僕はまだ大学生ですが、今後今の事業を通してさらに経営者として成長していき、将来的には夢のある大学生を応援するような事業ができるような会社を作りたいと考えています。

なので、応援した方々への恩返しをし、同じような挑戦をできる人を増やせるように、今は全力でラーメンを作ります。

高山

とても素晴らしいビジョンですね。感動しました。

僕も絶対にラーメンを食べにいきます。最後に、今の盛さんから、挑戦したいと思っている大学生に対してのコメントを頂ければと思います。

盛さん

夢やビジョンは、頭で考えているだけでは気付いてもらえません。

でも、行動したり、口に出すことによってきっと手を差し伸べてくれる人が現れる。

そのためには、周りにどんどんアピールして自分を知ってもらうことが大切だと思います。

そこで必ず意識するのは、「行動を伴うこと」です。口に出すことと同時に、自分自身も夢に向かうアクションをしていれば必ず応援してくださる人がいるはずです。

僕もそのために、美味しいラーメンを作って、お客様を笑顔にするところからもっともっと成長していきます!!

高山

盛さん、、ありがとうございました!!

店舗情報

項目 詳細
店名 麺やICHI
住所 北海道札幌市中央区南6条西4丁目1-1 PLAZA6.4BLDG 2階
営業時間 月・火定休・水曜19:00~0:00・木曜20:00~0:00 金土19:00~0:00 日曜11:00~15:00

SNS

 

ABOUT この記事を書いた人

Takayama

PenmarkNews編集長/24歳/社会人大学生/経験を生かし、大学生をはじめとするZ世代の皆さんの生活がより豊かになる記事をお届けします。
Penmark 時間割アプリ
Prime Student 学生限定
Magazine ペンマーク公式note
SEARCH 記事を検索
TAG 人気のタグ
TWITTER 公式アカウント